コミュニケーションツール

第2回目のひろかわ産地の学校

今回は福岡県八女市で久留米絣を織っている、下川織物さんへ。八女市は広川町のお隣の市で、Kibiruのある広川町から下川織物さんへは、車で15分くらいの距離にあります。

下川織物さんは、動力織機で織る久留米絣の工房です。

2019年で創業71年目になる下川織物。
今回は3代目の下川強臓さんに、下川織物の作っている現場や糸干し場をみせてもらったり、久留米絣のことや下川織物の取り組みについて教えてもらいました。

220年の歴史を持つ久留米絣。糸を括り、染め分けることでいろいろな柄を織る先染めの綿織物です。柄を設計して括って染めわけた糸を、平織りすることで柄が表現されています。

手織り、藍染めの久留米絣と、動力織機を使って織る久留米絣があります。
動力織機は今から100年くらい前にトヨタの創設者の豊田佐吉が開発した「Y式織機」という織機で織られています。 

一年の始まりは、久留米絣の創始者の井上伝さんのお墓をお参りするところからスタートされるそうです。
久留米絣組合に今23軒ある中で、半分が動力織機。約30工程を2、3ヶ月かけて作るそうです。それぞれの工程に専門家がいて、各工程を担っています。

「家を建てるのと一緒で、設計図を書くことから始めます。」と下川さん。

手描きの図案にこだわっているそうで、人がかいた丸を そのまま表現したいと言ってあったのが印象的でした。

下川織物さんでは、経緯絣、緯絣、経絣、チェック、ストライプ、文人絣、脱色絣などいろんな種類の絣を織ることができるそうです。

真の中央が下川さん。干してある糸は緯糸(よこいと)。
初めて久留米絣を織る現場を見るひろかわ産地の学校参加者の方もたくさん。

経糸(たていと)を干す糸干し場も見学させてもらいました。
経糸を広い場所で、干している風景は久留米絣ならではの風景かもしれません。

下川さんは久留米絣というテキスタイルをコミュニケーションツールとして捉えてあるのが印象的でした。Instagramなどを使ってSNSでも日々発信もされています。

「いろんな人が関わることで久留米絣の未来になるのでは。」と下川さん。
独自に、職人のあり方を「職人アーティスト」や、久留米絣を「グローカルテキスタイル」と名付けて、活動を行なっている下川さん。スウェーデンやフランス、フィンランドなどのアーティストやデザイナー達と一緒に久留米絣を作るプロジェクトなども今までに取り組んで来られていて、面白い話をたくさん聞くことができました。

アーティストやデザイナーのアイデアを一緒に形にしていく下川さんの、ものづくりに対する熱いお話を聞いて、下川さんだから一緒に取り組んで見たいと思い、国を超えていろいろな人から声がかるんだろなと感じました。

また久留米絣で何か作ってものづくりをしたい人などに向けて、起業家支援も行なう中で、少量の生地の取引なども行なっているそうです。

久留米絣の生地が好きになったり、何か久留米絣で商品を作ってみたいという人をサポート、応援してくれる体制があるのも下川織物さんならではの取り組み。

積極的に工場見学も受け入れているそうです。

「見学というのは受け身ではなく、出会いを引き寄せるため。共感した人と出会うためのもの。」と下川さん。

みなさん熱心に工場や糸の様子を見たり、下川さんに質問したりしながら久留米絣の理解が深まる一日となりました。

私も何度か見学や下川さんのお話を聞かせてもらっているのですが、技術を継承するだけでなく、時代に寄り添ったものづくりや、チャレンジする精神に感銘を受ける一日でした。

産地の学校3回目のレポートは広川町の坂田織物さんです。お楽しみに!

彌永(やなが)