ひろかわ校、はじまる

はじめまして、彌永(やなが)と申します。福岡県の広川町(ひろかわまち)という久留米絣の産地で、地域おこし協力隊制度を活用してものづくりスペースや、ひろかわ新編集というプロジェクトに関わりながら、自分でもファッションやテキスタイルを軸に活動しています。今回は私が、「ひろかわ産地の学校」をレポートさせていただきます。よろしくお願いします!

1回目の講義は、広川町にあるものづくりスペース「Kibiru」(きびる)で開催されました。
「KIbiru」は「つくる」を仕事にする人や、これからそんな仕事にしたい人に向けて今年の5月にオープンした、ものづくりの拠点です。久留米絣や果樹や花など、たくさんの「つくる」がある広川町で、特にファッションやテキスタイルなどをキーワードに、洋裁設備が揃った誰でも利用できるアトリエになっています。

そんなKibiruを拠点にひろかわ産地の学校も始まり、福岡県内や、県外からいろいろな方が集まってくださいました。

産地の学校事務局の宮浦さんから自己紹介をスタートし、みんなそれぞれ参加したきっかけや、学んでみたいこと、これからやってみたいことなどを話して行きました。

久留米絣を知っていきたい人、洋服のブランドを立ち上げていきたい人や、ファッションデザイナー、久留米絣の仕事に興味がある人など。様々な方向から久留米絣や、産地のこと、テキスタイル業界のことを知り、自分の活動に繋げていきたい方達が集まりました。

久留米絣の工程を学ぶだけでなく、テキスタイル業界の中で久留米絣ってどういう位置にあるのか、どういうことを求められているのか?テキスタイル業界がどういう動きをしているのか?などを知りながら何か新しい動きや、形が生まれるきっかけなど、このひろかわ産地の学校がそれぞれの未来につながればと思います。
宮浦さんも「これを機にKibiruをビジネスの場としてや、ひろかわ産地の学校が終わる3月以降もそれぞれの出発点や、立ち寄り点などになればいいなと思います。」とのこと。

初回授業はテキストやスライドを元に、宮浦さんから全国の繊維産地のこと、生産出荷額、糸の番手などなど知っておきたいテキスタイルの基本情報を学びました。

久留米絣の括り職人の園木さんにも来ていただき、久留米絣の基本工程も教えてもらいながら周辺地域にどのくらいの久留米絣の工房があるかなど、久留米絣についての基本情報もみんなでシェアしました。
ちなみに機械織りの久留米絣でよく使われる糸の番手は、20番単糸だそうです。

園木さんから、こっちでは「緯糸」を「ぬき糸」と呼ぶと教えてもらいました。その読み方をするのはこの産地だけかも?と宮浦さんも初めて聞いたと言っていました。古い言い方だと、緯糸を整経することを「ぬきはえ」というらしいです。
また今回、ゲストにテキスタイルコンバーターの島田さん東京から参加してくださいました。ひろかわ新編集のプロデューサーの江副さんも「まるでテキスタイルの編集者だね」と言っていたのが印象的でした。

島田さんは今回、久留米絣の生地をいろんな種類生地と一緒に染め実験をしたものを持って来てくれました。
脱色したり、上から染料で染め重ねてみたり。普段しない久留米絣の後加工によって、風合いや見え方が変わる実験。

こういう実験の積み重ねや、そのからの視点のアイデアで可能性がさらに広がる予感がしました。

次回のひろかわ産地の学校は、八女の下川織物さんのフィールドワークからスタートです!
初回講義で習ったテキスタル用語をもとに実際に見る現場は、糸の番手や、織機の仕組み、染色などいつもと違う視点で、気になる部分がたくさんありそうです。楽しみです。

彌永

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