デザイナーに必要なマネジメント力

第11講では水内さん経編みについての講義と、水内さんの専門であるプロダクトマネジメントについてお話していただきました。

はじめに、ISSEY MIYAKEに勤めていた際、経編みの製品を扱っていた水内さんに経編みの機械や編み方を解説していただきました。

経編みは、横編みや丸編みとは異なり、織物と同じようにたて糸があります。たて糸を隣のたて糸に絡めていくことで、縦方向にループしながら生地をつくっていきます。たて糸は織物同様ビームに巻かれ、編み機の上にセッティングされています。

経編み機は非常に大きく、たて糸を巻くビームも長いのが特徴です。また、機械が高速で動きます。天然繊維から出るようなホコリ等の飛び込みを嫌うため、合繊繊維を使用するのが一般的でした。ロットが大きく合繊繊維を使用するため、産業資材を作ることが主になります。

産業資材の生産が多い経編みは、服地がメインとなる横編みや丸編みと異なり、機械構造から編み組織、生産ロットまで未知の領域でした!

皆さんサンプルを見ながらどのように編みこまれているのか、質問が多く飛び交っていました。

お話は、水内さんの現職であるデザイナー向けのコンサルタントや、プロダクトマネジメントへ移っていきます。

まずプロダクトマネジメントとは、「製品が店頭に出るまでの計画をすること」だそうです。売上げの見込みや利益計算、生産管理を全て行います。

ファッションの世界は、半年タームで新作発表をする流れが一般的です。短期間でクオリティの高く、さらに収益が出るものづくりをしなければ意味がありません。例えば、「いくら生地にこだわっていても、コストが高すぎて結果的に使えなかった」というケースもあるそうです。

発表に向け、自分が何に一番こだわり優先させたいのか、どこまでに意思決定するのかなど、全体のスケジュールを立てるマネジメントが大切だそうです。水内さんは、服飾の学校でもマネジメントの必要性を教えています。

最後に水内さんは、「当然、お客さんと作ってくれる工場のことを考える。だからこそ、収益をとって全体をコントロールするデザイナーやアパレル側が、期間や収益を見極めて指示を出さなきゃだめ」とおっしゃっていました。

産地の学校では、実際の現場の方にお越しいただきお話を聞くことが多いですが、今回は発注者側の視点を交えたお話を伺うことができました。

11回の講義を終えた後は、受講生がグループに分かれ、それぞれが繊維業界で何をしたいのかディスカッションをしました。

ブランドを立ち上げたいと考えている人や、ショップを持ちたいと考えている人、実際に産地に入りたい人など、グループごとに全く異なった視点から意見が出ていました。

水内さん、貴重な講義をありがとうございました!

森口