東京校第4期、ラストとなる第12講は再び文化ファッション研究所にお邪魔し、所長の宮本さんから日本の繊維産地や生地開発の幅広さについて教えていただきました。
宮本さんの講義を聞き、改めて日本には全国各地に幅広く繊維産地が分布しているのだと実感しました。
縮緬が得意な地域は強撚ができる工場が多いという点や、尾州産地はファンシーヤーンを作る工場が多くあるといった、1つの工程に特徴がある地域もあります。また、気候によって扱いやすい素材が異なり、それにより得意となる加工の仕方が変わっていきます。
日本の工場が持つそれぞれの特徴を組み合わせることで、生地の発想は無限になるんですね!
さらに、生地の組織の変化によっても表情がガラッと変わります。
宮本さんが、かつて研究所で製作した生地を1つ1つ見せてくださいました。マニアックな生地がどんどん手元に回ってきましたが、どの生地も作り込まれていて情報処理が追いつかないほどでした。
「この生地はどうやって作っているのでしょうか?」という質問に、「織り組織で作っているんだよ」と、経糸と緯糸の交差から作られる組織を熟知した宮本さんらしい回答が返ってきます。
中でも、加工ではなく織りでプリーツを表現できることに一同驚きでした。
素材・組織・糸・加工・染めの全てにおいて1つ1つ選択し、最終的なイメージへ繋げられるのかが、テキスタイル作りの醍醐味になります。
宮本さん、貴重なお話と資料、ありがとうございました!
最後に一人一人、12回に渡る講義の感想を述べて第4期が締めくくられました。
産地の学校を受講するきっかけはそれぞれ異なりますが、生地や工場を見たときの感動を共有し、互いに交流する半年を経たことで、今後の繋がりになっていったのではないでしょうか。
私自身も、12回の講義で奥深い繊維の世界の入り口に触れることができました。
ここから自分の興味がより強い分野を掘り下げたり、実際に機械を動かし、産地のPR活動などに活かしていきたいと思います!
森口