ひろかわ産地の学校、第4講。
「産地校にはどんな方が通われていますか?」というお声が多く、今回は受講生のお一人にレポートしていただきました!
はじめまして。福岡を拠点にファッションのブランドをしている日野美穂と申します。
今回はひろかわ産地の学校の第4講目でうかがった、野村織物さんのレポートです。
はじめに、私が絣に興味を持ち、ひろかわ産地の学校に通うきっかけを少し書かせていただきます。
2016年に渡英し、帰国後ブランドを立ち上げようとしていました。広川町の地域おこし協力隊の彌永さんから久留米絣の産地である広川町で、ファッションやものづくりに特化し、デザイナーや地域の方々も使用することができるコワーキングスペースのKibiru(ひろかわ産地の学校の拠点)ができたことを教えてもらいました。
そこから、デザイナーのレジデンスの機会をもらい足を運ぶ機会が増え、久留米絣の産地である、広川町との交流が始まりました。
元々、生地はもちろん伝統工芸や歴史ある昔の丁寧につくられたものも好きだったり、デザイナーとして生地のことを深く知ることが必要だと考えていました。
永く続く久留米絣のことを知り、それを通して生地の産地、生地づくりを現場から知ることができれば、今後の自分自身のものづくりに大事な知識を得ることができると思い参加に至りました。
野村織物さんでは、今まで2つの織元で見て説明を聞いてもなお、はっきりと理解することができていなかったことが理解できました。
1つ目は、柄の製図通りに織るために糸を揃えていく作業。
2つ目は、たて糸を、機械で距離を変えてずらし柄の並び方を変える方法。
わかった!と言う気持ちになり、嬉しかったです。
野村織物さんは、染めも自社でされていて、新しい機械の導入により改善された点などを教えていただきました。新しい機械でも最終的には人の手が必要であり、たて糸の48反分を染めることの責任の大きさを感じました。
工房見学後の質問では、野村さんの熱い思いを知ることができました。過去2回の下川織物さん、坂田織物さんもそうだったのですが、それぞれ久留米絣に対する思いをお持ちで、それぞれが強みを持って仕事をされているのを、実際にこうして知ることができることは、貴重な体験で新たな発見やものづくりにつながると思いました。
毎講、見学の後にKibiruへ戻り、ディスカッションをおこなっています。
久留米絣のアイデンティティについて受講生それぞれの意見を交え、深くまで考えることが必要な問題提起もあり、いろいろなことを考えるいい発端であったと思いました。
なかなかすぐに答えが出るものではなく、それぞれの答えがあって、いろんな角度から考え作っていくことでじわじわと、問題に対して周りを囲むような形でいい方向に解決、改善していければいいなと思います。
その中で自分ができること、やるべきことを行っていきたい、と思ったひろかわ産地の学校第4講でした。
野村織物さん、ありがとうございました。
日野