レピア織機という機械

第4講は高田織布工場さんへ伺いました。

遠州産地の学校はいつもお昼過ぎにスタートするのですが、道中とっても暑く、受講者の皆さんと「暑いですね…!」「そうですね…!」と言いながら集合場所へ向います。
集合は、講師の方の工場や、近くの公共施設と様々です。

今回は公民館の和室に集合です。まずは座学から。
高田織布の高田さんに、工場のこと、ご自身のこと、レピア織機のことなど教えて頂きました。

高田織布さんの特徴は太番手の厚手でゴツい生地です。男らしい生地と形容されることもあります。麻を織ることは難しいとされていますが、高田織布さんでは麻も得意とし、ネップの凹凸が特徴の生地を織ることもできます。

織機の説明の際、テンプルの製造をする会社にお勤めの受講者さんによるテンプル講座も行われました!産地で開催している遠州産地の学校では、地元でいとへん関係の仕事をされている方がたくさんいらっしゃいます。
奥深すぎるテンプル講座。現物を見せて頂きながらその種類や特徴を教えて頂けました。
テンプルは製織の際、縮んでいく生地を外側に引っ張るように留めて、織機と生地への負担を減らす、金属の部品です。

いよいよ工場見学です。
入って最初に気づいたこと、それは織機の織る音が早い!ということ。前回の講座で伺った古橋織布さんでは、低速のシャトル織機を使われていましたが、高田織布さんでは高速のレピア を使われています。シャトル織機の音は「がしゃんがしゃん」と鼓動の早さで、それに対してレピア織機は「シャッシャッ」 とシャトル織機の音の1.5倍速ほどの早さです。
レピア織機は量産のためにシャトルを無くし高速で織れるようになっています。

シャトル織機は、織る際のシャトルが左右する動きをみることができましたが、
レピア織機はどう織っているのか、速すぎて全く動きが見れません。
高田さんのご厚意で、レピア織機の織る過程を、織機を止めながら、コマ送りで見せていただくことができました。
よこ糸が織機の真ん中で受け渡されるのがわかると「健気…!」という声があがりました。(たしかに…!)

工場ではテンプルを始め、アキュムレーター(たて糸のテンションを安定させるための機械)、紋紙をつくるパンチング、レピア織機の特徴であるカッターなども見ることができました。
「織る」だけでもいくつもの工程と部品があり、さらにその背景には人がいます。全ての方にお会いすることは難しいけれど、いつか講義を聴けたらなと思います。

レピア織機の特徴のひとつに、「生機のミミが切れる」という事があります。そのミミに興味を持たれた受講者さんは高田さんにお願いして少しおすそ分けをして頂くことに。
帰り道ではクッションの中芯にしようか、洋服の装飾にしようか、イメージがどんどん湧いてきました!

次は武藤染工さんにおじゃまします。いよいよプリントの工程を学んでいきます。

久野

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